広告祭参加という名の買春ツアー
春にな〜れば思いだす〜♪
ある広告祭があります。
私は前職、広告ギョーカイにいました。
そこには、自称クリエイティブディレクターと名乗るおじさんがいました。バブル時代に広告代理店でブイブイいわせていた典型的タイプで、いざ不況になった時に何のスキルもないから邪魔者扱いされ、下請けのグループ会社や制作会社を転々として結局私が働いていた広告会社に天下ってきたわけです。
その人は毎年春になると南の国で開催されている広告祭に行っていました。作品を出品してノミネートされているから、という訳ではありません。
あ、海外の広告祭って作品出したりノミネートされていなくても行けるんですよ。カンファレンスとかなんとか言って金積めば。
帰国後はいつもギラギラした風貌が、さらにバージョンアップされていたのですが、どんな広告祭だったかは全く聞いたことがありませんでした。
そして、毎年社内の男性社員が2名ほど一緒にその映画祭に参加していて、彼らもギラギラして帰ってきているのですが、どんな広告祭だったかは全く聞いたことがありませんでした。
ただ、広告祭以外の話はするんです。それは夜遊びです。
その広告祭が開催される場所は、世界でも有名な風俗リゾート。日本の風俗街も有名だけど、安い居酒屋くらいの料金でお触りオーケー、交渉次第でお持ち帰りオーケー、最後までオーケー。
さすがに、お持ち帰りして最後まで行った男性はいなかったみたいですが(病気がこわいのか、女性にそこは教えられなかったのか)、まぁ出るわ出るわすごいエピソード。
ゴーゴー◯ーなるストリップを皮切りに、小・中学生みたいな若い子がまっぱで隣に付いてくれるとか、それ以上にすごいことも…もう、今吐き気がしそうなので、ここには書きませんが。
極め付けにお土産はバイ◯グラ。
自称クリエイティブディレクターが全く仕事していないのにクビにならなかったのは、これ目当てにしていたマネージャーもいたからなのかな、と今は思います。
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そりゃ昔は広告ギョーカイにいたので、海外広告祭に憧れたりしましたけどね。もちろん、カンファレンス参加じゃなくて受賞やノミネートに。
しかし、こんな実態を聞かされるとマジ冷めるわ。
そもそも、なぜリゾートで開催されるのか。なぜ3月なのか。
いろんな黒い妄想をしてしまうのは、私だけでしょーか!
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でも、そこに本当の評価があるのか、というとそれは別の話だと思います。
ノーベル文学賞だって審査員のセクハラ問題で実施されなかったり、アカデミー賞だって白人至上主義だの女性蔑視だのって毎回問題定義されているじゃないですか。
結局、審査員側の問題が飛び火して主役の作品がメディアを通して見ている我々には見えなくなる場合がある。それは大変残念なことで。
それに、視聴者だって結局何が見たいかなんて目的なく流れてくるものを見るだけだから(そもそも関心がないのに目に飛び込んできただけっていう)、審査員側のスキャンダルに引かれますよね。
…結局そんなものです。
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何がよくて何が悪か、なんていくつも賞をとっているからとか、大企業のプロジェクトに関わっているからとか、大規模開発の立ち上げに関わったとか、そんなプロフで判断仕切れないと思います。実際、どこのどんな内容に関わったかなんてわかんない訳だし。もしかしたら、大したことないかもしれないし。
身近で一緒に仕事したり、話をしていて「すごく為になるなー」とか「すごくいい話してるなー」とか、そういう人を見つけて関わって意見を吸収するだけでいいのではないでしょうか。
毎年春になると、南の国で繰り広げられる広告祭のひどいエピソードを思い出すと同時に、自身の考えを改める訳です。
※この話はあくまで私の前職の会社社員の話であって、広告祭参加者全員が全員そうではありません!真面目に参加されている人の方が多いです!いや、本当に。