副業を認める代わりに手数料を要求する会社
ある大手の取引会社の人と、副業流行ってますよね的な話題をしたときのこと。「うちの会社、副業禁止なんで」とピシャリと言われたことがある。
ううん!?ちょっと、待って。おたくの会社で会社名は名乗ってないけれど、テレビやネットに露出している人、いっぱいいるじゃないですか…!
そう、名前と会社名を検索すれば、「〇〇はどこどこの社員」などとヒットするのである。
思わず「でも、ニュース番組でコメンテーターしてる〇〇さんて、御社の社員ですよね?」と聞きそうになったが、「知りません」と突っぱねられそうなのでやめておいた。
会社としては副業禁止なのに、堂々と顔出しで副業している…その矛盾を抱えたまま、執務室に戻った。
かく言う私の会社も基本的には副業禁止である。なぜかわからない。ただ株投資や不動産投資をやっている人もいるし、個人でアプリ開発を行なっている人間もいる。彼らは特に隠してもいないし、なんならアプリローンチしましたっていうスラックが飛んできたりする。以前、社長の前で株投資について熱く語っている社員がいたが、社長は興味深く話を聞いていた。なので、そのあたりの締め付けはそこまで厳しくないのだろう。
確定申告の際にマイナンバーでバレるという話もあるが、事前に役所に所得を別にする申請を行なっておけばバレることもないし。
それを不思議に思って、先輩に「あそこの会社、副業禁止て言ってたけど堂々と副業してる人、いますよね」というと、
「副業の売り上げの何割か、会社に納付してるって聞いたことがある」
とな。
…本当かどうか定かではないが、搾取っぷりがすごい。
それを聞くと、思わず吉本興行を想起してしまった。吉本の闇営業の発端も、会社の搾取っぷりに嫌気がさしたのが原因だろう。自身が個人で取ってきた仕事に関しても、何割(結構な額)が会社に支払われる。そこで会社に報告せずに、勝手に営業して勝手に金品のやりとりをしていたというわけだ。
昨今の吉本芸人のYouTube進出についても、同じように見える。
テレビは枠が限られているし、YouTubeであれば企画も演出も芸人が独自に行い、コストもかからない(素人と違って編集などの制作は他のスタッフがやっているのだろうけど)。始めるのも打ち切るのも勝手にすればいい(他の出演者に迷惑をかけない)。それに営業を頑張らずとも、ある程度はチャリンチャリン入ってくるのである。
とはいえ、事務所側は登録者が伸びたのは事務所に所属しているからであって、自分の名前だけではない、という名目で手数料を取っているのだろう。
大手企業がどんどん副業を解禁している。それはどういう意図があるのだろうか。会社が潰れても困らないようになのか、それとも…